新型コロナで変わる、
建築と都市のあり方[前編](松本丈)

新型コロナで変わる、<br/>建築と都市のあり方[前編](松本丈)

理事の松本です。新型コロナウイルスの影響で、世の中大変なことになっていますね。

私も家族を守るため、なるべく人に会わず、可能な打ち合わせはすべてオンラインに切り替えました。

そして、3月で色んな仕事がひと段落したのもあり結構時間があるので、家事や子育てに精を出す毎日です。混んでない公園くらいはいいかなと、2才の娘とよく近所を散歩したりしています。

時間があるからこそ、家族との時間を大切にしています。

仕事は、元々リモートワークやオンライン化できる内容なので、直接会うのは、本当にプライオリティが高く会って熱量を伝えるべきとき、そして相手がオンライン対応ができていないとき、になっています。会うべきときには直接会うけど、そうじゃない時にはオンライン。(オンラインだから会いたくない人というわけじゃないですよ笑)

相手が、オンラインじゃないっていうと、代表格は行政関係。彼らのオフィスってWifiも飛んでいなかったりで、当然Zoomでやりましょうとか言っても難しいので役所に来てほしいとなるんですが、彼らも環境整備をしてせめて会議室はオンライン会議対応にしたり、さらにリモートワークも進めていかないと、市民を守る立場の自分たちがクラスターの感染源になってしまう。僕のような、大したことない打ち合わせでは直接行きたくないという民間人や、住民票とかも家でほしいという市民が増えて声が上がっていけば、彼らも対応せざるを得ないようになるんでしょうか。コロナを機に、そういう古い体質の組織も強制的にオンラインの波が来ることを期待しますね。なんでも紙で提出とかも、これを機にやめてほしい笑。

また、営業系の話は、熱量を伝えるにはやっぱり直接会うしかないので、そういう局面では会うしかないと思います。そう考えると、オンラインやリモートワークで成果を出すって結構大変ですよね。経営者とか、熱量伝えて人を巻き込むのが仕事だったりするので。リモートワークは、ルーティンワークや知った仲では成立するけど、そうじゃないとなかなか難しい気がします。

ちなみに買い物もネットばかりになっています。食料品もオイシックスやパルシステムをフル活用です。外出は、必要な日用品の買い物とかだけ。誰かが言っていたシャットイン(引きこもり)経済に自分もまさになってきています。

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さて、前振りが長くなりましたが、今日、話題にしたいのは、自分の生活もコロナによって一変していますが、もしコロナによって人が、ある程度、集まることを前提にしない社会が到来するなら、そのとき建築や都市はどう変容するのか、という話です。仮に1年とか自粛生活が続くと、例え政府が補償しても今の構造のままどうにか維持するというよりは、もう消費行動から働き方まですべてが変容してしまい、以前の建築や都市を考える前提が根本から変わってしまうのではないかと思っています。人は状況に適応していく生き物です。もうすでに、飲食系では、この状況に対応しようとテイクアウトやデリバリー中心にシフトし始めていますし、アパレル大手のオンワードは実店舗700店舗を閉鎖しオンラインへ移行すると発表しました。こういう動きが元通りになるとは到底思えません。

私が日頃あれやこれやと取り組んできた「まち」や「都市」というものは、そもそも、集まること、集積すること、その集積の密度が最大のパワーになっていて、人がより多く集まるからこそ、より多くの機会が生まれ、イノベーションが起こり、市場や仕事が生まれたりしていました。それがもっとも活発に起こっていたのが、日本では、東京圏や大阪圏、札幌圏、福岡圏などの大都市圏で、世界でもロンドン、ニューヨークと、まさに今回のコロナで感染が拡がっている場所でもあるわけです。ウイルスという災害は、都市の根幹である人の過密状態を否定しているわけです。

また、大都市圏では、通勤によるストレスも相当なもので、郊外から1時間もかけて出勤するライフスタイルの見直しは指摘されて久しいし、行き過ぎた大都市の過密の問題が、さらに浮き彫りになっている形です。これは、コロナが収束しても、そのまま大都市に住み続けたいという人は減るのではないかと思わざるを得ません。

(後編はこちら

NPO法人TATAKIAGE Japan 理事
一般社団法人TATAKIAGE Japan 理事
松本 丈

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