
ここのところいわき市内外の様々な団体との「コラボ」が続いているハマコンですが、2016年最後のハマコンとなった第16回では、いわき市で地域づくりを担う「いわき青年会議所」とのコラボとなりました。普段はビジネスで活躍しているJCメンバー。この日は地域の活性化についての熱い思いをぶつけ合いました。早速プレゼンの模様を振り返っていきます。
長谷川 純一郎さん
いわき光のさくらまつりを賑わい創出に活用
この日のトップバッターは、いわき青年会議所まちづくり室で担当常任理事を務める長谷川純一郎さん。現在、いわき光のさくらまつりを運営しています。今年5回目の開催となっている光のさくらまつりは、双葉郡からいわき市に避難している人たちと、いわき市民との交流の場を作ろうと、双葉郡の名物である「夜ノ森の桜」をイルミネーションで表現したものです。市民の支援もあり、年々照明の密度も上がり、その美しさに磨きのかかるお祭りになっているものの、店頭期間中、桜の下でさらなる賑わいを創出し、街に賑わいを生み出したいというのが長谷川さんの考え。
まさに現在点灯中のイルミネーションでもあり、会場の関心も高く、ブレストも大変盛り上がりました。イルミネーションの一部を「フォトスポット」として、美しいイルミネーションの写真を撮ってもらうというアイデアが採用されました。そのアイデアに向けて長谷川さんが決定したベビーステップは「さくらまつりの写真をSNSに投稿してもらう」ということ。市民の間で「イルミネーションの下で写真を撮りたい」という希望が増えてくれば、それに伴って、露天ができたり、イベントやライブが行われたりと、様々に発展していきそうです。フェイスブックやインスタグラムが、平のイルミネーションの写真で盛り上がりそうですね。
佐藤 辰哉さん
世界から人が集まる社会人剣道サークルを地方展開する
2番目のプレゼンターは、普段は市内の企業で配管工として働いている佐藤辰哉さんです。小学校から剣道に打ち込んできたという佐藤さん、実は、東京、大阪、そしていわきと、3県にまたがる剣道サークルを運営しています。中心は東京のサークルで、異業種交流会も兼ねていることから、毎回40〜50人もの方が剣道の練習会に参加するそうです。現在では留学生も参加してくれるようになり、活動はグロバールなものになっているとか。しかし、大阪と福島での活動は集客に苦労していると吐露。地方展開についてのアイデアを集めたいと、今回ハマコンに参戦しました。
ブレストの結果、この日ハマコンに参加してプレゼンを行った遠藤弘道さんが副住職をつとめる梅の名所「専称寺」とコラボした剣道体操を行いたいと宣言。女性目線に立った剣道サークルの広報活動をしていくこととなりました。そのためのベビーステップは「口コミにつながる動画配信」とのこと。確かに、東京などではウェブサイトやSNSでも情報が広く伝わりますが、地方では「口コミ」で伝わることが多いもの。地に足をつけたPR活動から、剣道サークルの充実化を狙うこととなりました。
田邉 英寿さん
フラ文化をもっとまちづくりに活かしたい
3番目のプレゼンターは、いわき青年会議所「フラ文化推進委員会」の委員長として、日々フラ文化の啓発と発信に勤しんでいる田邉英寿さん。いわき青年会議所では、これまでフラガールズ甲子園の企画・運営など、いわき市内でのフラ文化の普及のための活動を行ってきました。また、いわき市と共同で「フラを基幹コンテンツとしたまちづくりビジョン策定会議」を開催。様々なアイデアを考えてきた一人でもあります。まさに、いわきフラ文化の中心人物と言っていいかもしれません。
その田邉さんが現在アイデアを練っているのが「フラ体操」。街のみんなが踊れる体操を作ることで、フラを市民に根付かせ、真の意味で「文化だ」と誇れるようになるはずだと田邉さんは訴えます。しかし「フラ体操」というネーミングに悩んでいる様子。そこでブレストでは、この体操のネーミングを考えた上で、どのように展開していけばいいのかのアイデアを考えました。その結果生まれたのが「アロハワイワイ体操」。アロハ、ハワイ、わいわい(賑やかや様子)を入れたそうで、すばらしい命名となりました。
高橋 大吾さん
引退した馬に幸せな余生を過ごさせたい
本業でゴルフ場と乗馬クラブを運営している高橋さん。今回は、馬に幸せな余生を過ごさせたいというテーマで登壇です。馬と人間の関わりと言うと、競走馬や乗馬をイメージする人も多いと思いますが、高橋さんによれば、そのほとんどは殺処分されたり、食肉になったりしてしまい、寿命を全うする馬は少ないのだそうです。しかし一方で、馬1頭を飼育するためには年間で100万円ほどの費用がかかるそうです。馬の飼育費用がかかるため、多くの業者は現役を終えた馬を何らかの形で処分してしまうのだとか。身近に馬とともにビジネスをしているからこそ、そうした現状を少しでも改善したいと高橋さんは訴えます。
そこで高橋さんが訴えたのが、馬と市民を近づけるためのアイデアを集めたいということ。多くの市民が馬に関われば、そこから利益が生まれ、馬の飼育コストを賄うことができるのではないかというわけです。ブレストでは、馬と子どもたちが増え合える「カフェ」のアイデアなどが出され、プレゼンターの高橋さんも大変満足できた様子。子どもたちにチャリティ意識を持ってもらうための教育の場にもしてきたいと抱負も語ってくれました。そのためのベビーステップは、ずばり「事業計画の策定」。馬と触れ合えるカフェをつくるため、高橋さんは早速動き出すそうです。高橋さんの運営する乗馬クラブが、市民と馬をつなげる場になりそうですね。
遠藤 弘道さん
専称寺をまちづくり・観光に生かしたい
最後のプレゼンターが、今年度のいわき青年会議所理事長で、開山より600年以上の歴史を持ついわき市山崎の古刹「専称寺」の副住職を勤める遠藤弘道さん。専称寺は、いわき市でも最も古い寺院の1つであり、かつては旧奥州の総本山として多くの修行僧を受け入れる「檀林」として名を馳せました。梅の名所としても知られ、県の指定する史跡・名勝にも選定されています。しかし、本山であることから檀家を持たず、現在は寺院の経営が大変難しい状態とのこと。
そこで遠藤さんは、この専称寺を観光拠点として活かしたいと訴えます。観光拠点となれば、そこでの売り上げでお手を維持管理することができるだけでなく、そもそもの「梅の名所」としての価値も高まると考えているからです。そこでこの日は、専称寺の特色を活かすアイデアを集めたいと訴えました。ブレストも大変盛り上がり、「梅の木の里親オーナー制度」のアイデアが採用されました。さっそく、梅の蕾ができ始める頃に、市民を招いた剪定ワークショップを開きたいとのこと。専称寺の再生プロジェクトが動き出しそうです。
普段は経営者として会社組織を運営している皆さんだけに、非常に地に足ついたハマコンとなりました。意思決定も速い方が多そうですし、アイデアをすぐに実行に移せる企画もあるはずです。来年以降、プロジェクトの進行を情報発信する機会もたくさんありそうです。今回のハマコンで2016年のハマコンは終了。2016年を締めくくりアツい会となりました。

ラトブ6階のオープンスペースで開催された今回のハマコン。

今回もたくさんの方にお集まり頂きありがとうございました。