第20回 浜魂:お出かけ浜魂vol.2 「おでかけ浜魂in久之浜」開催レポ

第20回 浜魂:お出かけ浜魂vol.2 「おでかけ浜魂in久之浜」開催レポ

7月の浜魂(ハマコン)は、久しぶりの出張版。今回は、いわき市最北端の港町、久之浜での浜魂開催となりました。復興をより加速させ、地域の課題を解決する「種」を見つけようと、会場となった「浜風きらら」には満場の来場者が集まり、固唾を飲んで4人のプレゼンを見守りました。今回のプレゼンターは、4人とも久之浜の地域づくりや物産に関わる男性。将来の明確なビジョンを持っているだけでなく、当事者として、皆さんすでに動き始めている方ばかり。そのせいか、ブレストも地に足ついた実践的なアイデアが集まりました。こちらでじっくりと振り返っていきます。

 

人口減少と少子高齢化が進む地域で、公共交通を再生させるには?
根本 重和さん

一人目のプレゼンターが根本重和さん。農家のかたわら、地域活動も広く行なっていて、「久之浜大久地区公共交通運営協議会」の会員として、バス路線が廃止されてしまった大久地区の課題解決の道を探ってきました。協議会では、路線バス復活のため、バスの実証運行なども実施してきたそうですが、「まだまだ公共交通の必要性のアピールが足りない」という実感を持っているそう。

そこで、今回は「公共交通の方が楽しいと思わせたい」と、浜魂に参戦。「皆さんが乗りたいと思う公共交通は何か、アイデアを募りたい」とプレゼンしました。ブレストでは、近所の人たちが集まって「ご近所トラベル」をしてみるというアイデアが選ばれました。確かに、地域の高齢者は行くところが決まりがち。小旅行のような楽しさを公共交通に注入できたら面白いかもしれませんね!

 

一流の人間力を育てるまちづくり
遠藤 諭さん

二人目のプレゼンターは遠藤諭さん。遠藤さんは現在、久之浜を中心に、住民活動と地域教育、行政の三位一体の地域づくりを進めていらっしゃいます。小学校の総合学習の時間を使い、「地域の未来と産業ワークショップ」など、教育プログラムを推進してきました。遠藤さんは「イベントではなく事業化することで持続性を持たせ、地域と行政、教育を循環させたい」と訴えます。

その上で、「人との出会いがその後の人生を大きく変える。出会いによってプロフェッショナルを育てられるアイデアを考えたい」とプレゼン。子供たちの育成についてのアイデアを募りました。結果、久之浜で大人たちの異業種交流会を開催し、そこに子供たちを巻き込んでプロフェッショナルとの接点を作る、というアイデアを採用。早速、今後の企画に落とし込むことになりました。

 

さんま加工で捨てる部位を価値あるものにしたい!
井出 拓馬さん

久之浜地区で水産加工業を営む井出さんが3番手。井出さんは、「手作りのさんまポーポー焼きを残したい」と一念発起し起業。現在は、自社で製造した加工品を、市内の鮮魚店などに卸販売しています。しかし、毎日、加工すればするほどに「捨てる部位」が出ると頭を悩ませています。頭や背骨、内臓といった部位は、価値が認められいないからです。

そこで井出さんは「捨てる部位を価値あるものするためのアイデアを考えたい」と会場に訴え、骨や背骨などに付加価値をつけるアイデアを募りました。初めの一歩として出た「そのままメルカリで販売する」には一同大爆笑でしたが、採用されたアイデア「さんまの骨で出汁を作ってラーメンとして販売」には、実現性の高いアイデアだけに、会場からの熱い視線が注がれていました!

 

地元の魅力を地元の人に知ってもらうためには?
渡邉 敬介さん

最後のプレゼンターの渡辺さん。地元久之浜生まれ。実家の家業だった田村屋旅館を継ぎ、現在は久之浜町商工会青年部に入って青年部長を担当しています。商工会青年部とは、若い経営者や後継者で組織され、地域貢献をしていくための内部組織。渡邉さんも、そのリーダーとして様々な取り組みをしてきましたが、「地元の魅力を知るきっかけがない」という実感が強いそうです。

イベントを企画しても、若者の参加者が少ないという悩みを抱えているという渡邉さん。「どうしたら若い人たちに参加してもらえるかアイデアを考えたい」と訴えました。そこで出されたアイデアは、地域の魅力ではなく「地域の悪口をいう」集まりを企画するというもの。地域のここが嫌だ、こんな風にしたいい。愛情があるからこその悪口。地域課題解決の太い糸口になりそうですね。

 

これまで何度か「出張浜魂」を開催して来ましたが、やはり、その土地に行かないと聞こえない声や課題があるということを改めて再確認する浜魂となりました。また、そこで出た課題は、一見すると固有のものであるように見えて、他の地区とも底では繋がっており、様々な連携を深めていくことが、結果的に魅力的な浜通りを作るのだということも、見えてきた気がします。

司会としては初登場の伊藤ゆきえさん!

老若男女、久之浜の方に広く集まって頂きました。

ブレストで大事なのは、とにかくスピーディに、即興的に。

 

久之浜での経験が、今度は豊間や勿来や広野や川内にも応用できるかもしれない。そうして各地区が連携して、地域のプレイヤーがゆるやかにつながっていくことが、さらに魅力的で刺激的な浜通りになっていく原動力になるのだと思います。そんなことを強く感じさせる「おでかけ浜魂in久之浜」になりました。「おでかけハ浜魂」、ぜひまた企画したいと思います。

次回の「第21回浜魂」は、9月14日(木)、いつものいわきPITに戻り、7月下旬からいわきに1カ月間インターンシップにきている大学生(9名)とその受入企業の4社が登壇者となる「インターン浜魂」。若い力といわきの力がぶつかり合う浜魂になりそうです!
詳細は、イベントページでお知らせしていきます。

第21回浜魂(ハマコン)開催
https://www.facebook.com/events/890377704433784/

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