
●学校法人明照学園
【取り組んだプロジェクト】
防災×園×地域、園を中心とした地域防災コミュニティを構築しよう!
2019年の台風19号で浸水した、いわき市平窪地区の九品寺附属平窪幼稚園・くほんじひらくぼ保育園。被災前よりも、よりよく、そして気候変動等に対応できるような園づくりを進めねばなりません。ハード面だけではなく、平時から地域と園がしっかりとつながりを持ち、ソフト面からも地域の防災力を高めていくことが重要です。
地域の現状調査、他地域の事例の調査などを踏まえ、園の立地を活かして、この地域に必要な防災コミュニティを構築するためのアイデアを考えるのが、今回のプロジェクトの課題でした。
【1ヶ月の成果】
インターン生3名は、園を地域に開き、地域の防災拠点にするプロジェクト「開く防(ひらくぼ)プロジェクト」を進めるため、園を中心としたコミュニティ構築のきっかけづくりに取り組みました。1ヶ月間の具体的な活動は以下のとおりです。
1週目:区長さんや地域住民の方に、園と地域を知るためのヒアリングを実施
2週目:地域住民を対象に、地域の防災について考えるためのワークショップを実施
ワークショップを通して、平時から多世代の繋がりを作る場、地域に根付いた避難所、行政と連絡が取りやすい情報拠点などの観点から、園を防災拠点にする意義が見えてきました。
3週目:1週目、2週目のまとめ
4週目:園内報告会を実施
園長先生の想いを職員の方に伝えると同時に、職員の皆さんとディスカッションを行ったことで、これまで得られかった現場の意見を知ることができました。
この1ヶ月の取り組みを通して、3名は、お寺を母体とする幼稚園・保育園という特性を活かして、園を地域に開くために、そしていざというときには防災拠点として活用するために、①幼稚園・保育園に健康センターとしての役割を持たせる、②バザーや収穫祭などのイベントの開催、という具体案を提案しました。
これは、子どもとお年寄りが気軽に関わるだけでなく、職員の方の業務の負担軽減、職場環境の向上、普段から世代間を超えた縦の繋がりをつくることにも繋がります。
実現のためには、移動手段が課題となりますが、これについては、学童バスをコミュニティバスとして活用することでクリアでき、それは災害時にも活用できるのではないかという解決策を提示しました。
このように、人が集まる、地域に開かれた個性的な園にすることが、いざという時に防災拠点として力を発揮することにつながると結論付け、1ヶ月間のインターンを終えました。
【受け入れ企業・団体からのフィードバック】
フットワーク軽く地域に入り込み、普段は取り組みにくい、地域住民の方へのヒアリングができたことは園にとって財産でした。また、職員自らも防災について考えるきっかけができ、職員の意識向上や組織内への意識の浸透にもつながりました。このインターンの取り組みが、「開く防プロジェクト」を進めていく上でのよいきっかけになると確信しています。他のプロジェクトと比べるとゴールが見えにくい課題でしたが、この結果を組織に残してもらえたことが、次の一手に繋がると思います。